『愛してるなんていうわけないだろ』 角田光代 著

さっそくノロケますよ。

先週末にした彼女との初デート(もちろん付き合うとかそんな話はまだしてない)は、天然な彼女の名台詞&名シーン炸裂で(そのうちご披露するかもしれないけど)、文句なしに今までにしたデート・ベスト1でした。

あー、デートってなんて楽しんだろう。


デートには苦い思い出がある。
昔々ちょっと燃え上がった人と初デートしたとき、会って3分でこう言われた。

「鼻毛出てるよ。」

その後はずーっと私の鼻毛は今どうなっているのか気になって気になって仕方がなかった。
すぐにバスに乗り込んで某城址から市街を見下ろして博物館に行くという予定だったので、手鏡とかそんな女子グッズは持ち歩いていなかった私が鼻毛を確認できたのは指摘されてから2時間後の博物館のトイレでだった。

「そんな出てないじゃん!」(ちょっと出てたけど・・・)

あの日は、その人に会うために友人につき合ってもらって洋服も新調したりすげぇ気合い入っていたのに、一日中鼻毛問題が頭から離れず、以後「デート=そういえば鼻毛出てるって言われた」という忌まわしい記憶が刻み込まれていた。


久しぶりに大変素晴らしいデートをしたら、角田光代の「日常生活におけるデエトの重要性について(『愛してるなんていうわけないだろ』所有)」を読みたくなった。

家族や恋人といった既存の関係性に収束しない、親密感あふれる楽しい共同体を書き続けている(最近は家族を正面から書いているようだけど、そうなってからは読んでいない)角田光代は親密感フェチの私には読んでいて楽しい作家さんだ。

『文学再生計画』の中の角田光代論の中で引用されていている箇所を引用してみる。

「こんな楽しいもん、ないよ。デエトが一番。(中略)デエトの根本は、恋愛の序章でもなく、一発かましてやろうでもなく、人を知ることだと断言する。そのうえで、恋愛が始まったり友情が芽生えたり一発やったりするんであって、それは付加価値に過ぎない。」


ほんと、激しく同意。

デートの最中に余分な記号を深読みすると楽しくないよね。

なんかお互い中学生かっていうぐらいドキドキして、でも一緒にいられることが嬉しくって仕方がないみたいな初デートだったんだよ。



愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

文学再生計画

文学再生計画