東京国際L&G映画祭2007 感想その2

15日(日)16:45〜上映の「NYカンタービレ」を見た。

一応、ざっとあらすじを紹介。
※私的解釈です。ちゃんとしたのはHP参照してね。

付き合って9ヶ月経つ彼女に突然別れを告げられる自称作家(だって仕事しているとこ出てこないんだもん)の主人公は、傷心を抱えて出席したパーティーで自分の読者だという男性とイイ感じになり、一夜を共にする。後に共通の趣味(オペラ鑑賞)があること分かり、親密度はアップ。お互い一夜限りの遊びのつもりが、どんどん仲が深まって・・・

そうこうする内、(多分面白くないという評価の)映画を観終わって出てきたところ、自分と同じように感動して泣いて出てきた女性と意気投合。だんだん仲良くなり、相手の情熱に押し切られる形でベッドイン。

二股ラブは最初は楽しいものの、徐々に破綻。結局二人にばれるが、「一人のパートナーと人生を共にしていく」ことの大切さに気がついた主人公の気持ちがモトカノに伝わり、寄りが戻ってめでたしめでたしでジ・エンド。

主人公へダメだしは以下の2点。

・二股かけるのは恋愛の基本的ルール違反でしょ!

・男子とセックスするときにはコンドーム使っても、その男子とついこないだまでセックスしてた女子とするときには何にもなしかい!グローブとかデンタルダムとか使わないのかー。

私は、レズが男とセックスしたっていいし、合意の下なら複数の人と同時に付き合っても構わないと思う。

彼女の間違いは、唯一、合意なく二股かけたこと。

どうしてこんなことになってしまったか?

ここで「『受け』『攻め』パラダイム登場!

主人公はタチネコでいうならリバだと思われるが、受け攻めでいうと、「ザ・受け」だと見ていて思った。

映画の中で、彼女は自分から決して仕掛けないのだ。
別れた元ノンケの彼女との始まりは向こうから積極的にキスされてだったし、読者男の時もそう。その後出会ったノンケ女子に至っては(まあ、その時点で男と関係があったからだが)「もう少し時間をかけよう」と押し止める努力は一応するものの「私としたくないの!」と詰め寄られ、「したい!」と答えてしまう。

あっちともこっちとも関係をもってしまう罪なやつ風に見えるが、現実には相手がかなり強引である。そこにはちょっと同情する。

彼女の不幸は、自分が究極の「受け」体質だということを自覚していないことだと思った。
自覚していれば、もっと違った展開になったはず。

あらすじの紹介では「レズビアンの主人公が自身のセクシュアリティーが揺らぎ始め・・・云々」とか書いてあったんだけど、揺らいでたかな。正直伝わってこなかった。

とにかく「一人の人を愛し続けることの意味に目覚め、幸せになりましたとさ」という結末はノン・モノガミーな私には大いに不満なものだった(ふがふがと鼻息荒くして表参道下って帰ったさ)。

モノガミーな人には納得の結末なんだろうけれどさ。

ちなみにこの作品、会場の受けはすごくよかったです。
隣に座っていたゲイのカップルさんは「2丁目でもよくある話だけど、舞台がNYってだけでオシャレ〜よねー」と観終わった後言っていたし、観ている間もすんごい笑ってた。
実際コミカルなシーンでは笑い声がよく響いてました。

※映画の詳細はこちらを見てくれ。