AQFF感想その2

ジャパン・クイア・インディーズの2作品目、「No time No place」の感想

上映後のティーチインで「えー、主催者二人の作品を上映させていただくという、映画祭の私物化のようなことは今回限りですので、お許しください(笑)」と大石監督は切り出しましたが、それは残念!と正直思いました。

面白かったですよー。
初監督作品とは思えないクオリティーを感じました。
冒頭の扉が開くシーンもかっちょ良かったし、台詞も(いい意味で)間延びした感じがいい味だったし。
笑わせようという小細工感がなく、熱い語りのシーンも臭過ぎず・・・

監督の人柄そのものなナチュラル感なのかな・・・とティーチインでのやり取りを聞いていて感じました。

個人的には大石作品、もっと見てみたいです。

次回も是非出品して欲しいと思います。

以下極私的感想。
主人公は恋にも仕事にも臆病だけれど、すごく思いやりがあるいい子。
私的にはタイプだなあ。
思いを寄せる女の子との今の関係を壊したくないから告白も出来ない・・・っていう設定なんだけれど、すぐに告白してしまう私としては、このぐらいの慎重さのある人の方が信用できる気がする。
告白はさ、相手のクリスタルKちゃん似の子にしてもらえばいいじゃん!と思って見てました。
「勇気を出そうよ!」というメッセージも分かるけれど、臆病になるほどに思いが真剣って感じも捨てがたい。
告白なんてしなくても、相手の子を大事に思っている事は十分伝わるんでない?と思ったけれど、お互い臆病者同士で好きあっているのに進展しない二人組みって結構いるってこと?監督はそれを言いたいの?とも思った。

映画の中で大事な役割をしている猫の碧については、この猫ちゃんがすごくきれいで、それだけで良し!なのだが、臆病な主人公にストレートな愛情表現をさせるには人間ではなく猫である必要があったのかな・・・なんて考えたりした。


DATA
■ 原題:No time No place
■ 監督:大石和世
■ 制作国:日本
■ 制作年:2004年
■ 上映時間:40分
■ ジャンル:ドラマ
story
■ 主人公、里美はコンプレックスの塊で、仕事にも恋にも積極的になれずにいた。小説を書くのが唯一の趣味だったが、ある日それもやめる決意をする。その直後、飼っていた猫の碧(みどり)が失踪してしまう。公園を捜す里美の前に突然現れた謎の女性、彼女の名前もまた碧(みどり)だった…。

※DATAは、AQFF公式サイトより引用させていただきました。