「トランスジェンダー・フェミニズム」 田中 玲 著
トランスジェンダーとフェミニズム、この二つが組み合わさると、どうなると思います?
私は戸籍上&生物学的に女。男になりたいと思ったことはありません。
ですので、トランス指向の方とセクシュアルマイノリティのコミュニティで出会うことはあっても、「トランスジェンダー=性を越境する者」について、自身の問題として考えたことはなかったんです。
また、フェミニズムには思春期から接してきたけれど、途中共感できなくなったりして距離をおいたりしつつ、現在は「最新のトピックスには一応目を通しておくか」ぐらいの関心度です。
つまり、どちらも、そうたいして関心がある事項ではなかったということです。
しかし、この二つがマッチングすると、様相は変わります。
筆者の問題提起に対し、「自分自身、どうなのよ?」といちいち突っ込みを入れたくなってしまうのです。
筆者の抱いてきた違和感、しっくりこない加減をどう解決していくかのプロセス、現在の社会のシステムの在り方への問題提起の発し方のリアルさなどを読んでいくと、自分が「とりあえずサスペンド」にしておいてる問題が、じわーっと炙り出されていく快感なのか苦痛なのか分からない感覚が走りました。
自身の性自認や性的指向を、「トランスジェンダーとフェミニズム」この二つのキーワードで読み解く作業はすごく楽しかったです。
他の人にも、この作業やってみて欲しいなあ、そんで感想を聞かせてもらいたいです。
読後は自身の違和感や指向性がよりクリアになった感あり、自分自身があやふやなせいで他人に不必要な嫌な思いをさせてしまう場面を回避できるんじゃないか(そういう場面ってけっこう多いと思うんです)、そう感じています。
※筆者のテキストは以下のサイトでも読むことができます。
中でも「ポリガミーという生き方」には、共感することが多くて「ポリガミー指向の可能性」というエントリーを書く際に参考にさせていただきました。
レズビアンに特にお薦めのアート作品を批評紹介するウェブマガジン
"iratsume" 「郎女<いらつめ>」
http://selfishprotein.net/lesart/jap/index.htm
エッセイ 「ポリガミーという生き方」 Text by Ray Tanaka
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