近くて遠い場所

Lコミュニティー*1に対し、どのような場所へどの程度の距離感でコミットメントすべきか、いや、自分がしたいと思っているのか、ずいぶんと長いこと思案している。

クローゼットから出てからしばらくの間、コミュニティーへと出掛ける動機は、こんなだった。

1.情報を得たい(いつどこでどんなイベントをやっているか*2)。
2.自分以外の当事者たちと知り合いたい(友人候補、恋人候補、ロールモデルにしたいような先輩などなど)。
3.セクシュアリティの話題を避けるでも隠すでもない場所に身をおきたい。
4.L&Gカルチャーを享受したい。みんなと楽しい時間をシェアしたい。


・・・そして現在

1.情報はネット経由でかなり得ることが出来るようになった。
2.いろいろな人と知り合い、出会い、恋愛したり別れたり。大切だと思える友人に出会うことが出来た。
3.母親や妹、ヘテロの友人たち、仕事上のつき合いのある信頼できる人にもカムアウトしているので、嘘をついたり隠し事をしているような後ろめたさも窮屈な感じも日常生活でほとんどしなくなった。
4.仕事が忙しくなかなか時間がとれない。興味関心の中心が現在は仕事。なので出掛ける機会はおのずと減少*3


実際に、生活していくだけで、仕事をするだけで毎日が手一杯という状況でもあるんだけれど、そんな限られたリソース(時間とお金)をLコミュニティーへと振り分けるモチベーションが上がらないでいる。

なら、無理に関わらなくたっていいじゃん。

そうなんだけれども、わたしがクローゼットから出るきっかけを与えてくれたのが90年代後半のゲイ・ムーブメントであり、レズビアン・コミュニティーだったものだから、「もう、わたしには必要ないから関わりません」という態度は、なんだか恩知らずな感じというか、自分が必要なときだけ擦り寄って後は知らん振りかよ!みたいなタダ乗り感がぬぐえないのだ。

リソースの分配という感覚は、過去に自分のキャパを超えて、(なおかつ今では自分に適性のないと自覚できる)ファシリテーターをやろうとした苦い経験から得たもの。

やりたいこととできることは違うのだ。

そして、今。

Lコミュニティーには関わっていたいけれど、その関わり方がよく分からず、こうして「遠く離れて」ブログを書いている。

いつか、自分なりの関わり方が見出せるといいなと願いながら。

*1:Lコミュニティーとは何を指すか、というのは定義づけが難しい。LOUD、PA/F SPACE、WWE、DWE、2丁目、クラブイベント、オフ会、映画祭、パレード、まあそのあたりを大雑把にひっくるめてLコミュニティと認識している。

*2:例えば「公正証書の作り方について」のワークショップとか

*3:2丁目は仕事場から徒歩30分圏内だけど行くのは年に2回ぐらい。映画祭やパレードは仕事しだいで行けたり行けなかったり。