インポ体験2

以前にインポになった話を書いた。

あれから早4ヶ月。
少し前に「あー、もう治ってきたな」という感覚が唐突に湧いてきた。
徐々に変化して、とかではなく。

インポになった当時、どうして勃たなくなったのかなんてたいして疑問にも感じず、「アタシも歳なのね…」ぐらいにしか考えてなかったんだけれど(それほど困っていなかったし)、今回インポを脱しつつあるという状態に身を置いてみて結構新鮮な感覚があったので、ちょっと書いておく。


恋をしたとき、周りが輝いて見えてみんなが優しく感じられて、自分自身も人に対しいつも以上に優しくしたくなるような、そんな精神状態になるけれど、ちょっとそれによく似た状態が訪れたんだよね。

根拠なき多幸感というか。

身体の方は、まだセックスしてないから実戦可能かは定かでないんだけれど、多分濡れも十分で、陰核が勃起しても痛くないと思う(陰核は勃たないか、勃ってもヒリヒリして痛かった)。

でね、インポ治ったね、よかった、よかった。で話は終わらなくて、どうして回復してきたか、そしてわたしにとってのセックスの意味(の大きな部分)というのが、今回の経験から見えてきたように思う。


まずね、インポになった当時、わたしは昨年の秋に別れた彼女ともう付き合うことは出来ないとしても友人として新しい関係を築いていけないか模索している最中だった。

別れは彼女から一方的に切り出され、ろくに話し合う機会ももてないまま終わってしまったこともあって、わたしは別れた後も彼女に思いが残ってた。

わたしとしては7年ぶりに好きになった人だったし、このまま縁が途切れるのは嫌だったんだ。

で、いろいろあって繋がりは切れてしまうことなく、わたしの店に彼女が月に2回ぐらい訪ねてくるようになり、店が終わった後時々一緒にご飯を食べたり、休日に遊んだりすることもあった。

でね、その過程でわたしはかなり無理をしてしまったんだよ、今にして思うと。

近づきすぎるとぶつかるというのは経験上分かっていたから、程よい距離を保つよう心がけつつ、どんな言動が彼女の逆鱗に触れるのかだいたい読めてきたので、先回りしてそうならないように言動に自己規制かけて、それでも切れられることはあって、そんなときは気にしないふりをして、なんとかなだめてコトをなるだけ穏便に済まそうと。

いい人ぶったんですよ。

でもそういう状態になってるってことに自覚も乏しくて初めは気がつかなかったんだけれど、なんかおっかしーなーって思い始めたのがだいたいインポ発症の頃。

そしてインポから回復する少し前から、そういうことはやめよう、なるだけ穏やかな付き合いはしたいけれど、言いたいことは言おう、そう思って実行するようになった。

結果的には致命的なぶつかり合いをして、それによって生じたわだかまりを乗り越えられないまま、もう会うのは無理だなと感じるようになったんだけれど。

そう思えるようになってからまもなく、身体に瑞々しいものが溢れるようで、まるで恋愛初期のような感覚が訪れた*1

誰に頼まれたわけでもないのに、自分の感情を曲げてまで、ぶつかり合いを避けようとしたわたしの態度は、ちょっと病的で、「自分が悪かったわー」と振り返って思う。

今回のインポは、自分で自分に規制を(これはほとんど無意識に)かけて、抑うつ状態に沈み込んでいく過程の随伴症状としてのインポだったんじゃないか。

わたしにとってセックスという行為は「信頼関係が成り立っている相手と親密感を分け合う行為」なんだ。
なのに、わたしはもうダメになった人となんとか繋がりを維持しようとして「信頼関係」も「親密感」も手放してしまった。
その歪みが身体症状として、出現した。

そういうことだったんじゃないか。


ぐちゃぐちゃ書いたけれど、要は「インポ治ってよかったね」という話でした。

*1:今回の経験から、「恋をするとは、特定の何者かに欲情することである」って言っちゃってもいいような気がしてきたよ。そんぐらい、今回の身体感覚と恋愛の初期症状は近しいものでした。少なくとも二つはパラレルなものではなく地続きのものだわ。