遠くからIDAHO

IDAHO(International Day Against Homophobia 国際反ホモフォビアの日)のことを知ったのは2006年の5月17日を一日か二日過ぎた日で、マイミクのマイミクさんの日記経由でだった。

その方はPSPでモンハンばかりしているふたりの男の子のお母さんで、多分異性愛者だと思うんだけれど、「同性愛者が同性愛者であるという理由で差別されることはあってはならないし、このような日をきっかけにしてふだんそんなことを考えもしない人たちが同性愛嫌悪の問題について知ったり考えたりしてほしいと思う。このような活動はとても意義があると思うんだよー。」といった内容の日記で、当時のトップ画像もレインボー地に「ホモフォビアにNO!5月17日」と書かれたIDAHOアイコンだった。

非当事者の方がそんな風に思い、日記を書いて、読んでいる他の方に呼びかけている(寄せられたコメントも賛同する方がほとんどで、数も多かった)ということに、感銘を受けたんだけれども、IDAHOの存在を非当事者から教えられたことにショックを受けたりもした。

当時のわたしは、レズビアンコミュニティと接触がなく、LGBTの友人知人とも没交渉に近く、仕事ばかりしていて、mixiも始めたばかりだった。

食べていくことに精一杯だったんだけども、それ以降「こういうの、ちょっとヤバイなあ」と感じ始めて、仕事が落ち着くにつれ、少しずつコミュニティと接触したりこのブログを始めてみたりしだした。

IDAHOが近づくと、同性愛嫌悪について、反同性愛嫌悪について、考えてみる。

今年は地元でも街頭アクションがあって実際に知っている方が参加されたので、活動自体を身近に感じたし「自分は同性愛嫌悪について何を感じ、考えているか。誰に何を伝えたいか?」を言語化したいなあと思ってたんだけども、なかなかまとまらない。

まとまらないので、とりあえずIDAHOアクションの様子のレポートや関連記事のリンクを貼っときます。


東京での街頭アクションの様子
"多様な性”にYES!各地でシンポや街頭アピール
http://www.labornetjp.org/news/2009/0517hokoku
「フツーに生きてるGAYの日常」より
http://akaboshi07.blog44.fc2.com/blog-category-104.html

ホモフォビアに関連して
「押して、押して、押し倒されろ!」より『ホモフォビアとお国柄』
http://yuichikawa.blog28.fc2.com/blog-entry-1492.html

↑のエントリ中で紹介されている以下のテキストも読んでみてください。

モスクワのゲイ・プライド・マーチ「スラヴィック・プライド09」で起こったことまとめ -みやきち日記
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20090518/1242580199

映画「ミルク」レビュー 私はゲイが嫌いだ
http://www.eigaseikatu.com/imp/25358/513766/


街頭アクションで読み上げられたメッセージはこちらで読むことができます。


同性愛嫌悪の現状(同性愛者であるという理由で処刑されたり投獄されたりする国が、パレードで暴力行為が横行したり不当に逮捕される国が、今現在もあるということ。同性愛者であるという理由でいじめに遭ったり、自殺を考えたり実際に自殺してしまったりする青少年がいるということ。などなど。)を知り、伝えるということは、政治的で大問題のようで、「大事だとは思うんだけど、ちょっと私には荷が重いかな…」という躊躇を生みやすい。

私自身、何かを発言したり、文字に書いたりしようとすると、すんごい考えてしまうし、労力もけっこう使う。

でも、でも。

「わたしは何を感じ、考え、何ができるか、何をしたいか」という極めて個人的な着火点から生まれたふるまいやおこないが、つながり成長していくようなことだではないか。


わたしが同性愛嫌悪について考えてみて、頭をよぎったこと。

「同性愛嫌悪をなかったことにしたいのって当事者だよな。」ということ。
非当事者の中には(例えば異性愛者で同性愛嫌悪がある人とか)「同性愛者」を気持ち悪い、見たくない、なかったことにしたいと思う人がいるかもしれないが、「同性愛嫌悪」をなかったことにしたいとは思わないだろう。

「○○ってレズなんだってー」とからかう様な口調で言われて、「あ、あー、そうなんだー」と固まった顔で返答してしまうとき。

「こんな風に腕組んでたらレズかと思われちゃうかなー」とヘテロ女子に無邪気に言われて「お、おー、そんなことないんちゃうん」と口ごもってしまうとき。

「結婚、なんでしないのー?まさかレズじゃないよね?」と冗談口調で言われて、「違いますよー」と答えながら腋の下から汗が噴出してしまうとき。

「いちいち反応しないでおこう。スルーするのが一番(安全)さ。」そう心の中でつぶやく。

「さっきの、なかったことにしよ」

そういうのが、んもーとにかくわたしは嫌だ。
処世術とは思えない。
自分はしたくない。

まずは「同性愛嫌悪をなかったことにしたい」がなくなるといいなと個人的には思います。